Phantom (ファントム) ~二人の陽人〜
「アキ…愛してるよ」
耳元で聞こえた、あまりにも唐突で思いがけない言葉…。
今度はアキの方が動揺し、ハルから離れようとしたが、強く抱きしめられ動きを封じられてしまった。
顔を見られるのが照れくさかったのかも知れない。
「何だよ…急にそんなこと…」
仕方がないので、ハルの胸の中で聞いてみる。
「だって、明日必ず、当たり前のように生きてる保証なんて、どこにもないじゃん?
だから言いたくなった」
「そう…だよな‥」
アキの脳裏に、息を引き取ったハルをこの胸に抱き、泣き叫んでいた出来事が甦る。