Phantom (ファントム) ~二人の陽人〜
「俺もハルが好きだよ」
素直に…本当にごく自然に口にしていた。
しかし、言った後で、自分の言葉に慌てた。
ハルと違って、いつも思ったことを素直に口に出せない性分の俺が…と。
そんな自分に驚いたし、言った後にあまりの照れ臭さに急激に体温が上がった気がした。
長年の付き合いでそんな性格を知っているハルなら、驚いて戸惑うか、笑って茶化すかどっちかだろう。
そう思って、少し後悔した。
ハルの反応を待つのが堪えきれない。
「知ってる」
それなのに、あまりにもアッサリと言い放つ言葉が返って来たので、アキはハルの胸をグッと押して、体を離し顔を覗き込んで聞いた。