Phantom (ファントム) ~二人の陽人〜


映画の撮影で、キツいアクションの練習を重ねた。
アクションと言えばカッコ良く聞こえがちだが、それは何も攻撃だけではない。
攻撃があればそれに対する反撃もある訳で、その中で相手の動きから俊敏に身をかわしたり、どこかから飛んだり落ちたり、地面に叩きつけられたり…。
そんな時に受け身を取ったりする練習などを何度となく繰り返した。

それがなければ、あの時飛び出して来た車に、まともにぶつかっていたかも知れない。
咄嗟に身をかわせた事で、接触程度で済んだのだと思う。

走り出そうとする車の中に飛び込んで行くなんて事は、危険行為でしかない。
映画で現実とかけ離れた世界を演じていることで、自分が無敵だと勘違いしてしまう瞬間があるのは否めず、そこは反省すべきだ。
しかし今回は、そんな馬鹿な思い上がりが、少しは役に立ったのかも…と思った。

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