ポインセチア
ポインセチア
「ただいま・・・」

暗い室内に自分が小さく発した声が変に響く。

机上に無造作に置かれたホワイトボードには、急いで書いたのか不格好な字が羅列している。

どうやら、父と母は帰ってこれないらしい。

沸き出してくる感情を誤魔化すように、紫音はやや乱暴にテレビをつけた。

テレビの中のアナウンサーが、七時であることを告げた。

どうやら、この後『公認サンタクロース』というものの特集をするらしい。

その話題が今日がクリスマス当日だと、現実なんだと否が応でも伝えてくる。

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