あたしの高校生活はバラ色だったはずなのに
そして火曜日の放課後...。

「夢杏っ!今日も昴と帰んの?」

兼戸が聞いてきた。
私は兼戸と一緒に帰りたいところなんだけど…

...やっぱり昴くん来るんだよね。

え、だって、ほら

夢杏と優杏は廊下の方を見る

「夢杏っ!!行くぞ~!」

夢杏と優杏は顔を見合わせる。

「んじゃ、あたし帰るからいいよ。
それじゃ、二人でラブラブしてください」

ばぁ~い♪ と言って優杏は教室を出て行ってしまった。

やっぱり優杏に申し訳ない。
確かに私たちカレカノで付き合ってて恋人だけど...でも!

違うと思う。これ。

「ねぇ、「夢杏~今日は楽しかったかい??」

...昴くんこんな調子だしやっぱりそんなこと言えない。
たまには優杏と帰らせてよ
なんて...。

それで気分悪くさせちゃったらなんか悪いし...

「ん?夢杏ど~した?」

顔をのぞき込んで声をかけてくる昴くん。

「なにっ」

思いつめていたために言い方が怒こっているようになってしまった。

あっ...

と思った時には『時すでに遅し』で...

「ね、なに?どうしたの怒ってるの?」

肩を掴まれ向き合う形にさせられて
昴くんはしゃがんで目線を合わせてくる。

別に...怒ってるってわけじゃない。
ただ、言いたいことがあるけど言えないだけ。
でも、それを言う勇気はない。

「言えない...ことなの?」

私は頷くことすらもできなかった。

でも、昴くんは理解したみたいで
そこからはずっと2人手を繋いで家まで帰った。
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