あたしの高校生活はバラ色だったはずなのに
「てか、なんで公園なんかに呼び出したの?」

イルミネーション一緒に見よって言うならまだしも...イルミもない。街灯ばっかの公園。

おまけにも遅い時間だからひとけも少ない。
私達二人しかいないんじゃないかって感じ。


「今、何時かな」

私の質問を無視して
昴くんはケータイを見る。

「ん、7時56分か。
ね、ちょっとぶらつこ?あっちの方」

と言って昴くんが指さしたのは噴水の方

そして2人は噴水広場の近くまで歩いた。


何気ない話なんかもした。

「もう、いい時間じゃないかな」

と、昴くんが言った途端に

シュッッ......
シュッッ......

何個かある噴水が同時に上がった。
その瞬間噴水がライトアップした。


「綺麗......」

「まだだよ」


そして、その脇の方にある木も点灯した。
どうやらイルミネーションが仕掛けられていたらしい。


「き、綺麗...ここの公園ってこんなに綺麗なイルミネーションがあったなんて、知らなかった。」

「ここの公園のライトアップは8時からで遅いんだ。だから人が少ないんだ。

きっと今、ここには俺たち二人しか居ないよ」

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