夢幻の騎士と片翼の王女
回想(side アドルフ)
*
「……アドルフ…最近少しやせたのではないか?
ジゼルもだ、やけに顔色も悪いな。
目の下に隈が出来ているぞ。
二人とも体調でも悪いのか?」
朝食の際、陛下がそう言われると、チャールズが不自然な咳払いをして陛下の傍に近付き、その耳元に何事かを囁いた。
陛下は私の方を見ながら、何度か頷き、どこか気まずい顔をされた。
「……仲良きことは素晴らしきことだ。」
小さな声でそう言われると、陛下は何事もなかったかのように食事に戻られた。
きっと、チャールズが話したのだろう。
私が毎晩、何度もジゼルを抱いていることを…
確かに、最近のジゼルは痩せた。
痩せたというより、疲れのせいなのか、酷くやつれた感じだ。
頬がげっそりとして、陛下の言われる通り、目の下には隈が出来ている。
とにかく早く子を作ろうと、私にはその想いしかなかった。
自分の役目を早くに終えたら、もしかしたら、半年経つ前にアリシアを側室に迎えることが出来るかもしれない。
私はそんなことを胸に思い描きながら、ジゼルを抱き続けた。
「少し休ませていただけませんか?」
ジゼルは何度かそう言ったことがあったが、そんな時には君を愛してるだの、君が好き過ぎて我慢が出来ないだのと大嘘を吐いてなだめた。
本当に私は嘘吐きだ。
いや、アリシアのためならなんだって出来るということだ。
(アリシア……)
「……アドルフ…最近少しやせたのではないか?
ジゼルもだ、やけに顔色も悪いな。
目の下に隈が出来ているぞ。
二人とも体調でも悪いのか?」
朝食の際、陛下がそう言われると、チャールズが不自然な咳払いをして陛下の傍に近付き、その耳元に何事かを囁いた。
陛下は私の方を見ながら、何度か頷き、どこか気まずい顔をされた。
「……仲良きことは素晴らしきことだ。」
小さな声でそう言われると、陛下は何事もなかったかのように食事に戻られた。
きっと、チャールズが話したのだろう。
私が毎晩、何度もジゼルを抱いていることを…
確かに、最近のジゼルは痩せた。
痩せたというより、疲れのせいなのか、酷くやつれた感じだ。
頬がげっそりとして、陛下の言われる通り、目の下には隈が出来ている。
とにかく早く子を作ろうと、私にはその想いしかなかった。
自分の役目を早くに終えたら、もしかしたら、半年経つ前にアリシアを側室に迎えることが出来るかもしれない。
私はそんなことを胸に思い描きながら、ジゼルを抱き続けた。
「少し休ませていただけませんか?」
ジゼルは何度かそう言ったことがあったが、そんな時には君を愛してるだの、君が好き過ぎて我慢が出来ないだのと大嘘を吐いてなだめた。
本当に私は嘘吐きだ。
いや、アリシアのためならなんだって出来るということだ。
(アリシア……)