夢幻の騎士と片翼の王女
「そうですか…エドモンド様がそうおっしゃるのなら、心配はいらないでしょう。」

「で、では、私はこれで……」

「姫様…先日、手に入れました大変おいしい異国のお茶があるのですが、よろしければ私の部屋で……」

「残念ですが、私、急いで戻らねばなりませんので…」

私はその場から立ち上がりました。



「姫様、お部屋までお送りします。」

「アルフレッド、それなら私がお送りするから必要ない。」

「……そうですか。」

「では、私はこれで……」

私はエドモンドと共に、部屋を出ました。



「姫様…アルフレッドには気を許してはなりませぬぞ。」

「どういうことですか?」

「あやつは、とても優秀ですが、何か良からぬことを企てているように感じるのです。
ただ、なかなかしっぽを出しません。歯がゆいことに、証拠はまだみつけられないでいるのですが、私のカンに間違いはないと思っています。
さっきも、おそらくはあなた様が私の所に来ていることを知って、あんな風に入って来たのではないかと思います。
あやつのせいで、残りのカードをみることが出来なかった…
また近いうちに日を改めてみてみましょう。」

「そうですね。
また時間が出来たら、伺います。」

みることの出来なかったカードにどんなことが出ていたのか、気になりましたが、今更どうにもなりません。
エドモンドの言う通り、次の機会を待つしかないのです。
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