夢幻の騎士と片翼の王女
私は、初めて心の底から人を憎いと思った。
ロイドが私のために残しておいていてくれた大切なお金を、あいつらは私から奪ったのだから…
次の日から私は、毎日あいつらを探して回った。
そして、三週間程が経った頃、ついに私はあの少年をみつけたのだ。
「あっ!」
少年達は私に気付き、踵を返し駆け出した。
「待て!」
しかし、奴らが待つはずはなかった。
奴らは、私より少し年上だから足も速い。
私は懸命に走ったが、その距離はどんどん広がって行く。
奴らを逃がしてなるものか!
その一念から、私は魔導の力を使い、奴らの前に瞬間移動した。
「わっ!」
突然、目の前に現れた私に、奴らは畏れの表情を浮かべた。
「僕のお金を返して下さい。」
「何のことだ?
俺はおまえなんか知らない。」
「あれは大切なお金なんです。
返して下さい。」
「知らないって言ってるだろ!
それより、おまえ…魔導士だな!」
そう言うと、あろうことかその少年は近くの家に火を放った。
「な、なにを…」
「誰か、来てくれ!
火事だーーーー!
魔導士が家に火をつけたぞーーー!」
少年の声を聞きつけ、数人の大人たちが駆け付けて来るのが見えた。
その間にも家は燃え広がる。
それを見過ごすわけにはいかない。
私は、魔導の力で雨を降らせた。
ロイドが私のために残しておいていてくれた大切なお金を、あいつらは私から奪ったのだから…
次の日から私は、毎日あいつらを探して回った。
そして、三週間程が経った頃、ついに私はあの少年をみつけたのだ。
「あっ!」
少年達は私に気付き、踵を返し駆け出した。
「待て!」
しかし、奴らが待つはずはなかった。
奴らは、私より少し年上だから足も速い。
私は懸命に走ったが、その距離はどんどん広がって行く。
奴らを逃がしてなるものか!
その一念から、私は魔導の力を使い、奴らの前に瞬間移動した。
「わっ!」
突然、目の前に現れた私に、奴らは畏れの表情を浮かべた。
「僕のお金を返して下さい。」
「何のことだ?
俺はおまえなんか知らない。」
「あれは大切なお金なんです。
返して下さい。」
「知らないって言ってるだろ!
それより、おまえ…魔導士だな!」
そう言うと、あろうことかその少年は近くの家に火を放った。
「な、なにを…」
「誰か、来てくれ!
火事だーーーー!
魔導士が家に火をつけたぞーーー!」
少年の声を聞きつけ、数人の大人たちが駆け付けて来るのが見えた。
その間にも家は燃え広がる。
それを見過ごすわけにはいかない。
私は、魔導の力で雨を降らせた。