夢幻の騎士と片翼の王女
*
「ここは本当に静かで良い場所ね。」
「そうだね…確か、子供の頃にも何度か来たことがあったよね?」
「そうだったかしら?」
「そうだよ。確か…木登りをしてたら、ジョシュアが落ちて…
あれ?あの時はまだ君は生まれてなかったっけ?
……いや、違う。確か、まだ赤ちゃんだったんだ!」
「道理で覚えてないはずだわ。」
エドモンドにみてもらってからしばらくして…私はお母様と一緒に、別荘に出かけました。
もちろん、護衛にはリチャードも着いてきてくれています。
それはとても嬉しいことなのですが、エドモンドにあんなことを言われたせいか、リチャードの顔を見るのがとても恥ずかしいのです。
「アリシア…どうかしたの?」
「ど、どうって?」
「今日は一度も僕の顔を見てくれないじゃないか。」
「そ、そんなことないわ。あなたの思いすごしじゃ……あっ!」
リチャードから顔を背け、歩き出したところ、私は足元の小石に蹴躓いて、体のバランスを崩しました。
「危ないっ!」
倒れる寸前に、リチャードが私の身体をうまく抱き止めてくれました。
彼の逞しい腕の中で、私達の時間が止まりました。
彼の深い海のような瞳が、私をじっとみつめます。
私は魔法にかけられたようにその瞳から目を離すことが出来ず、頭がぼーっとしてしまいました。
「アリシア……」
彼の腕に力がこもり、彼の顔が少しずつ私に近付いて来ます。
甘い期待に私の胸は高まり、飛び出しそうになる鼓動を感じながら、そっと目を閉じました。
柔らかな感触が、私の唇にそっと触れました。
そして、私の唇をなぞるように動き、私は初めてのその甘美な感触に、とろけてしまいそうになりました。
「ここは本当に静かで良い場所ね。」
「そうだね…確か、子供の頃にも何度か来たことがあったよね?」
「そうだったかしら?」
「そうだよ。確か…木登りをしてたら、ジョシュアが落ちて…
あれ?あの時はまだ君は生まれてなかったっけ?
……いや、違う。確か、まだ赤ちゃんだったんだ!」
「道理で覚えてないはずだわ。」
エドモンドにみてもらってからしばらくして…私はお母様と一緒に、別荘に出かけました。
もちろん、護衛にはリチャードも着いてきてくれています。
それはとても嬉しいことなのですが、エドモンドにあんなことを言われたせいか、リチャードの顔を見るのがとても恥ずかしいのです。
「アリシア…どうかしたの?」
「ど、どうって?」
「今日は一度も僕の顔を見てくれないじゃないか。」
「そ、そんなことないわ。あなたの思いすごしじゃ……あっ!」
リチャードから顔を背け、歩き出したところ、私は足元の小石に蹴躓いて、体のバランスを崩しました。
「危ないっ!」
倒れる寸前に、リチャードが私の身体をうまく抱き止めてくれました。
彼の逞しい腕の中で、私達の時間が止まりました。
彼の深い海のような瞳が、私をじっとみつめます。
私は魔法にかけられたようにその瞳から目を離すことが出来ず、頭がぼーっとしてしまいました。
「アリシア……」
彼の腕に力がこもり、彼の顔が少しずつ私に近付いて来ます。
甘い期待に私の胸は高まり、飛び出しそうになる鼓動を感じながら、そっと目を閉じました。
柔らかな感触が、私の唇にそっと触れました。
そして、私の唇をなぞるように動き、私は初めてのその甘美な感触に、とろけてしまいそうになりました。