夢幻の騎士と片翼の王女
「今、薬屋に話を聞きに行っている。
だから、嘘を言っても無駄だぞ。」
「僕は嘘なんて吐いてません!」
「そういえば…何年か前に、山が大火事になったことがあったな。」
男がそう言った時…私はそれが自分のしでかした火事のことだと気が付き、鼓動が早くなるのを感じた。
「顔色が変わったな…もしや、あの火事もおまえやそのロイドとかいう魔導士の仕業だったのか?」
「ロ、ロイドさんは関係ない!
あ、あれは…ぼ、僕が…」
「おまえがやったのか!ついに吐きやがったな!」
「で、でも、昨日のは僕じゃない!
お金を取られたっていうのも嘘じゃない!」
「うるせぇ!魔導士の言うことなんか、信じられるか!」
私は、再び、留置場に押し込められた。
「お前の処置については、追って沙汰がある。
それまで、そこでおとなしくしてろ!」
冷たい床に座って、私は絶望的な気持ちを感じていた。
ここでは誰も私のことを信じてはくれない。
金を奪われただけじゃなく、やってもいない放火の罪を着せられるなんて…
(でも、薬屋のおじさんが、僕達のことを話してくれたら…そしたら……)
しばらくすると、男が私の前に現れた。
「薬屋は、今、薬草を採りに遠くの町まで出かけているらしい。
しばらくは帰って来ないそうだ。」
私の望みはまたも断たれた。
その後も毎日、同じことの繰り返しだった。
自警団の者達は私がやったと決めつけている。
早く本当のことを話せと、私は毎日責め立てられた。
ろくなものも食べさせてはもらえず、ただ一方的に責められ罵られるだけの日々…
私は自分の持つ魔導の力を憎んだ。
やはり、魔導の力は呪われた力だ。
母の命を奪い、私を一人ぼっちにした…
禍々しいだけの忌まわしい力だ…!
しばらくすると、外から騒がしい群衆の声が聞こえた。
「魔導士を許すな!」
「魔導士を殺せ!」
「縛り首だ!」
それを聞いているうちに、喉の奥から笑いが込み上げた。
何の力も持たない虫けら共が、何を騒いでいるんだ…と。
「何を笑ってる!?
町のみんなはおまえを殺せと言ってるんだぞ。
おまえは死ぬのが怖くないのか?」
私は、狂ったように大きな声をあげて笑った。
「馬鹿なことを言うな!
僕を誰だと思ってるんだ。
魔導士なんだぞ!」
留置場の鉄の柵を、私は一瞬で吹き飛ばしてやった。
「わぁっ!だ、誰か来てくれーーーー!」
怯えた目をして逃げ出した男に、私は燃え盛る火の球をぶつけてやった。
男は、断末魔の絶叫を残し、燃え尽きた。
外に出た私に、石礫が飛び、私の額を割った。
赤い鮮血がどくどくと流れ出る……
石を投げたのはあの少年達だった。
「嘘吐き魔導士め!」
「嘘吐きはお前たちだ!」
私は少年達に、稲妻を落としてやった。
奴らは一瞬で黒焦げの炭と変わった。
それを見た女性の甲高い悲鳴…
我先にと逃げ惑う人々…
「お前たちなど、みんな、くたばってしまえ!!」
私はいたるところに、火の玉を投げつけ、町を火の海にしてやった。
明々と燃える町を見ながら、私は大きな声で笑った…
とめどない涙を流しながら…
だから、嘘を言っても無駄だぞ。」
「僕は嘘なんて吐いてません!」
「そういえば…何年か前に、山が大火事になったことがあったな。」
男がそう言った時…私はそれが自分のしでかした火事のことだと気が付き、鼓動が早くなるのを感じた。
「顔色が変わったな…もしや、あの火事もおまえやそのロイドとかいう魔導士の仕業だったのか?」
「ロ、ロイドさんは関係ない!
あ、あれは…ぼ、僕が…」
「おまえがやったのか!ついに吐きやがったな!」
「で、でも、昨日のは僕じゃない!
お金を取られたっていうのも嘘じゃない!」
「うるせぇ!魔導士の言うことなんか、信じられるか!」
私は、再び、留置場に押し込められた。
「お前の処置については、追って沙汰がある。
それまで、そこでおとなしくしてろ!」
冷たい床に座って、私は絶望的な気持ちを感じていた。
ここでは誰も私のことを信じてはくれない。
金を奪われただけじゃなく、やってもいない放火の罪を着せられるなんて…
(でも、薬屋のおじさんが、僕達のことを話してくれたら…そしたら……)
しばらくすると、男が私の前に現れた。
「薬屋は、今、薬草を採りに遠くの町まで出かけているらしい。
しばらくは帰って来ないそうだ。」
私の望みはまたも断たれた。
その後も毎日、同じことの繰り返しだった。
自警団の者達は私がやったと決めつけている。
早く本当のことを話せと、私は毎日責め立てられた。
ろくなものも食べさせてはもらえず、ただ一方的に責められ罵られるだけの日々…
私は自分の持つ魔導の力を憎んだ。
やはり、魔導の力は呪われた力だ。
母の命を奪い、私を一人ぼっちにした…
禍々しいだけの忌まわしい力だ…!
しばらくすると、外から騒がしい群衆の声が聞こえた。
「魔導士を許すな!」
「魔導士を殺せ!」
「縛り首だ!」
それを聞いているうちに、喉の奥から笑いが込み上げた。
何の力も持たない虫けら共が、何を騒いでいるんだ…と。
「何を笑ってる!?
町のみんなはおまえを殺せと言ってるんだぞ。
おまえは死ぬのが怖くないのか?」
私は、狂ったように大きな声をあげて笑った。
「馬鹿なことを言うな!
僕を誰だと思ってるんだ。
魔導士なんだぞ!」
留置場の鉄の柵を、私は一瞬で吹き飛ばしてやった。
「わぁっ!だ、誰か来てくれーーーー!」
怯えた目をして逃げ出した男に、私は燃え盛る火の球をぶつけてやった。
男は、断末魔の絶叫を残し、燃え尽きた。
外に出た私に、石礫が飛び、私の額を割った。
赤い鮮血がどくどくと流れ出る……
石を投げたのはあの少年達だった。
「嘘吐き魔導士め!」
「嘘吐きはお前たちだ!」
私は少年達に、稲妻を落としてやった。
奴らは一瞬で黒焦げの炭と変わった。
それを見た女性の甲高い悲鳴…
我先にと逃げ惑う人々…
「お前たちなど、みんな、くたばってしまえ!!」
私はいたるところに、火の玉を投げつけ、町を火の海にしてやった。
明々と燃える町を見ながら、私は大きな声で笑った…
とめどない涙を流しながら…