夢幻の騎士と片翼の王女
あれから気の遠くなる程の長い時が流れた…



そして、ようやく…アリシアと再会出来ることが出来たのだ。



しかも、今回はあの時とは立場が逆だ。
私は王子…そして、アリシアは平民…
私の思い通りに出来るのだ。



だが、そんなことはしない。
彼女に求めるのは、真実の愛だ。
偽りの愛情なんていらない。


私は、彼女の愛がほしい。
ただ、それだけなのだ。



あんなことをしたのに、私を怖がることなく信じてくれた…
私の友達になってくれると言ったアリシアのまっすぐな愛がほしいだけなのだ。



(アリシア……)



部屋の窓から、幽閉の塔を見上げた。
狂おしい程の愛しさが込み上げ、涙が出そうだ。



(あと少しだ…あと少しでアリシアに会える…!)



逸る気持ちを私は懸命に押さえ込んだ。
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