夢幻の騎士と片翼の王女
気になる存在(side リュシアン)
「あぁぁ…畜生!!」
「な、なんなの?」
突然、半身を起こし大きな声を上げた俺に、裸の女が目を丸くした。
「もう帰れ…!」
「え…?」
「さぁ、早く…!!」
「わ、わかりました。」
女は寝台のまわりに脱ぎ捨てられた衣類を素早く身に着けて、そそくさと部屋を出て行った。
俺は、水差しの水を飲み、小さな溜息を吐いた。
女を抱いても、全然気が晴れない。
その原因はわかっている…あの女…亜里沙だ。
そりゃあ、異国の女なんて初めて見たけど…
それにしても、なんでこんなに気になるんだろう?
俺は、女に不自由したことはない。
アドルフに取られたことは確かにちょっと癪に障るが、そんなにこだわるほど良い女でもなかったはずなのに…
(くそっ!)
窓辺に立ち、俺は、幽閉の塔を見上げた。
あそこにあの女がいる…
かれこれもう十日くらいになるか…
どうしてるんだろう?
やっぱり心細い気持ちでいるんだろうか?
それとも、アドルフの側室になれたことを喜んでいるのか?
アドルフといえば、あれほど亜里沙に執着したというのに、ジゼルとはとても仲が良いようだ。
なんでも、やつれる程毎日ジゼルを抱いているらしい。
あんな不器量な女のどこが良いのやら…
(あいつの趣味は全くわからないな…)
「な、なんなの?」
突然、半身を起こし大きな声を上げた俺に、裸の女が目を丸くした。
「もう帰れ…!」
「え…?」
「さぁ、早く…!!」
「わ、わかりました。」
女は寝台のまわりに脱ぎ捨てられた衣類を素早く身に着けて、そそくさと部屋を出て行った。
俺は、水差しの水を飲み、小さな溜息を吐いた。
女を抱いても、全然気が晴れない。
その原因はわかっている…あの女…亜里沙だ。
そりゃあ、異国の女なんて初めて見たけど…
それにしても、なんでこんなに気になるんだろう?
俺は、女に不自由したことはない。
アドルフに取られたことは確かにちょっと癪に障るが、そんなにこだわるほど良い女でもなかったはずなのに…
(くそっ!)
窓辺に立ち、俺は、幽閉の塔を見上げた。
あそこにあの女がいる…
かれこれもう十日くらいになるか…
どうしてるんだろう?
やっぱり心細い気持ちでいるんだろうか?
それとも、アドルフの側室になれたことを喜んでいるのか?
アドルフといえば、あれほど亜里沙に執着したというのに、ジゼルとはとても仲が良いようだ。
なんでも、やつれる程毎日ジゼルを抱いているらしい。
あんな不器量な女のどこが良いのやら…
(あいつの趣味は全くわからないな…)