夢幻の騎士と片翼の王女
ほのかな想い(side 亜里沙)
「亜里沙様…少し落ち着かれたらどうですか?」
「わ、私は、落ち着いてるわ!」
私がそう言うと、メアリーさん達は顔を見合わせてくすっと笑った。
あれから早くも三か月近い月日が流れた。
辛くてどうしようもなかった例の営みの授業は、少し前に終わった。
一時期は、目がつぶれてしまうんじゃないかって思うほど毎日泣いて、食欲さえもなくなっていたけれど、しばらくすると、ようやく私にも諦めがついた。
慣れて来たということもあるかもしれないけど…
一番は…
(そう…あの歌声……)
楽しい曲や、しんみりする曲、いろいろと趣向を変えて歌われたその曲は、まるで私を励ましてくれるように思えた。
誰が歌ってるのかはわからないけれど、本当にあの歌声には勇気付けられた。
あの辛い授業を乗り越えられたのも、こんな閉鎖された場所で精神を病まずに済んでいるのも、あの歌声のおかげだと思えた。
ひと月が経った頃からは、今まで二人分だった歌声がひとりになった。
楽器の音もなくなったけど、それでも歌声は今もずっと続いてる。
近くから聞こえて来るから、お城に住んでる誰かだろうとは思うのだけど、ここにはたくさんの人が住んでるから誰なのかはわからない。
私は、その誰だかわからない人の歌声を、毎夜、とても楽しみにしている。
そろそろ時間だと思うと、ついそわそわしてしまって…それで、さっきみたいにメアリーさん達にからかわれたりしてしまう。
「わ、私は、落ち着いてるわ!」
私がそう言うと、メアリーさん達は顔を見合わせてくすっと笑った。
あれから早くも三か月近い月日が流れた。
辛くてどうしようもなかった例の営みの授業は、少し前に終わった。
一時期は、目がつぶれてしまうんじゃないかって思うほど毎日泣いて、食欲さえもなくなっていたけれど、しばらくすると、ようやく私にも諦めがついた。
慣れて来たということもあるかもしれないけど…
一番は…
(そう…あの歌声……)
楽しい曲や、しんみりする曲、いろいろと趣向を変えて歌われたその曲は、まるで私を励ましてくれるように思えた。
誰が歌ってるのかはわからないけれど、本当にあの歌声には勇気付けられた。
あの辛い授業を乗り越えられたのも、こんな閉鎖された場所で精神を病まずに済んでいるのも、あの歌声のおかげだと思えた。
ひと月が経った頃からは、今まで二人分だった歌声がひとりになった。
楽器の音もなくなったけど、それでも歌声は今もずっと続いてる。
近くから聞こえて来るから、お城に住んでる誰かだろうとは思うのだけど、ここにはたくさんの人が住んでるから誰なのかはわからない。
私は、その誰だかわからない人の歌声を、毎夜、とても楽しみにしている。
そろそろ時間だと思うと、ついそわそわしてしまって…それで、さっきみたいにメアリーさん達にからかわれたりしてしまう。