夢幻の騎士と片翼の王女
*
「アドルフ様、私……」
「わかっている。子が出来たのだな。
でかした。」
私は、ジゼルの差し出した両手をあえて見ないふりをして顔を背けた。
「あ、アドルフ様…」
「体を大切にするのだぞ。」
ジゼルの顔を見ることもなくそう答え、私はその場から離れた。
今夜から、あの女を抱かずに済むのかと思ったら、とても爽快な気分だった。
それだけではない。
ついに今夜、アリシアに会えるのだ。
約半年前は、話さえする暇がなかった。
(今夜は、何を話そう…?)
そんなことを考えるだけで、私の心は薔薇色に染まった。
恥ずかしいが、今の私はまさに初恋をした少年のような気持ちだ。
アリシアは私のことをどう思うだろう?
気に入ってくれるだろうか?
何か持って行った方が良いだろうか?
持って行くとしたら、一体、何を?
本当に自分でも照れ臭くなる程、浮かれている。
(幸せだ…幸せ過ぎて、どうにかなってしまいそうだ…!)
押さえそうとしても自然に笑みがこぼれる。
そんな自分が、自分でも信じられない想いだった。
「アドルフ様、私……」
「わかっている。子が出来たのだな。
でかした。」
私は、ジゼルの差し出した両手をあえて見ないふりをして顔を背けた。
「あ、アドルフ様…」
「体を大切にするのだぞ。」
ジゼルの顔を見ることもなくそう答え、私はその場から離れた。
今夜から、あの女を抱かずに済むのかと思ったら、とても爽快な気分だった。
それだけではない。
ついに今夜、アリシアに会えるのだ。
約半年前は、話さえする暇がなかった。
(今夜は、何を話そう…?)
そんなことを考えるだけで、私の心は薔薇色に染まった。
恥ずかしいが、今の私はまさに初恋をした少年のような気持ちだ。
アリシアは私のことをどう思うだろう?
気に入ってくれるだろうか?
何か持って行った方が良いだろうか?
持って行くとしたら、一体、何を?
本当に自分でも照れ臭くなる程、浮かれている。
(幸せだ…幸せ過ぎて、どうにかなってしまいそうだ…!)
押さえそうとしても自然に笑みがこぼれる。
そんな自分が、自分でも信じられない想いだった。