夢幻の騎士と片翼の王女
*
(……大丈夫だな?どこもおかしいところはないな?)
鏡の前で、私は何度も自分の姿を確かめた。
(何をやってるんだ、私は…)
愚かしい真似をしている自分自身に苦笑した。
真っ白なブラウスに、糊の効いたスラックス…
湯浴みを済ませ、長い髪はいつもよりずっと念入りに梳かした。
ジゼルには、子に何事かあってはいけないからと、今夜から寝室を別にすることを申し渡した。
不服そうにはしていたが、そんなことは知ったことじゃない。
アリシアには、今夜は季節の花束を持って行くことにした。
宝石も考えたのだが、急なことで間に合わなかったのだ。
夕食が済んでからはとにかく早くアリシアに会いたくて、部屋にいてもなかなか落ち着くことが出来なかった。
ふと柱の時計を見上げると、0時5分前だった。
(……そろそろ行くか。)
私は花束を抱えた。
香しき花の香りが鼻をくすぐる。
(亜里沙は喜んでくれるだろうか?)
そんなことを考えては、私はまた自然と微笑んでしまっていた。
(……大丈夫だな?どこもおかしいところはないな?)
鏡の前で、私は何度も自分の姿を確かめた。
(何をやってるんだ、私は…)
愚かしい真似をしている自分自身に苦笑した。
真っ白なブラウスに、糊の効いたスラックス…
湯浴みを済ませ、長い髪はいつもよりずっと念入りに梳かした。
ジゼルには、子に何事かあってはいけないからと、今夜から寝室を別にすることを申し渡した。
不服そうにはしていたが、そんなことは知ったことじゃない。
アリシアには、今夜は季節の花束を持って行くことにした。
宝石も考えたのだが、急なことで間に合わなかったのだ。
夕食が済んでからはとにかく早くアリシアに会いたくて、部屋にいてもなかなか落ち着くことが出来なかった。
ふと柱の時計を見上げると、0時5分前だった。
(……そろそろ行くか。)
私は花束を抱えた。
香しき花の香りが鼻をくすぐる。
(亜里沙は喜んでくれるだろうか?)
そんなことを考えては、私はまた自然と微笑んでしまっていた。