夢幻の騎士と片翼の王女
*
「う、ううん……」
「アリシア様、お気が付かれましたか?」
「アリシア、気分はどうですか?」
目が覚めた時、私は別荘の寝室に横になっていました。
どこかぼんやりとした頭の中に、急に赤く染まったリチャードの姿が浮かびあがり、私の鼓動は速さを増しました。
「お母様…リ、リチャードは…!?」
お母様は悲しい顔で俯き、小さく首を振られました。
「お母様…どういうことなんです?」
私の声が震えました。
「リチャードはあなたをかばい、亡くなりました。
あなたを襲った暴漢を仕留め、あなたを救ったのです。
彼は本当に素晴らしい騎士でした。」
お母様の言葉が、私の耳をすり抜けていきました。
そんな…そんなはずはない…
あのリチャードが死ぬなんて…
だって、彼はまだ若くとても元気で…
抱き合った時の彼の身体は温かく、力強い鼓動を感じた。
その彼が死んでしまうはずがない。
そう…これは夢なんだわ。
私はとても嫌な夢にうなされているのだわ。
こんな夢、すぐに覚める…
目を瞑って深呼吸をして…数を数えて目を開ければ、このいやな夢も終わる…
1…2…3……
再び目を開いた時…
部屋の中は何も変わっていませんでした。
ベッドの傍らには、悲しそうな顔をするお母様と使用人がいて……
絶望に覆い尽された私は、血を吐くような叫び声をあげていました。
「う、ううん……」
「アリシア様、お気が付かれましたか?」
「アリシア、気分はどうですか?」
目が覚めた時、私は別荘の寝室に横になっていました。
どこかぼんやりとした頭の中に、急に赤く染まったリチャードの姿が浮かびあがり、私の鼓動は速さを増しました。
「お母様…リ、リチャードは…!?」
お母様は悲しい顔で俯き、小さく首を振られました。
「お母様…どういうことなんです?」
私の声が震えました。
「リチャードはあなたをかばい、亡くなりました。
あなたを襲った暴漢を仕留め、あなたを救ったのです。
彼は本当に素晴らしい騎士でした。」
お母様の言葉が、私の耳をすり抜けていきました。
そんな…そんなはずはない…
あのリチャードが死ぬなんて…
だって、彼はまだ若くとても元気で…
抱き合った時の彼の身体は温かく、力強い鼓動を感じた。
その彼が死んでしまうはずがない。
そう…これは夢なんだわ。
私はとても嫌な夢にうなされているのだわ。
こんな夢、すぐに覚める…
目を瞑って深呼吸をして…数を数えて目を開ければ、このいやな夢も終わる…
1…2…3……
再び目を開いた時…
部屋の中は何も変わっていませんでした。
ベッドの傍らには、悲しそうな顔をするお母様と使用人がいて……
絶望に覆い尽された私は、血を吐くような叫び声をあげていました。