夢幻の騎士と片翼の王女
*
「アリシア、この部屋は気に入ったか?」
「はい、窓からお庭が見られるのはとても気持ちが良いです。
それに、お部屋もとても広くて綺麗ですし。」
昼食の際、亜里沙は良く話をした。
今まではメイドくらいしか話し相手がいなかったせいか、話したくてたまらないと言った感じで、他愛ないことをあれこれと話した。
「塔での暮らしは退屈だっただろう?」
「え…い、いえ、そんなことは…」
俺の質問に亜里沙は言葉を濁したが、あんな狭いところに閉じ込められていたのだ。
退屈じゃないはずがない。
「そういえば、アリシアは趣味はあるのか?」
「趣味…ですか…?」
亜里沙は、視線を泳がせ、しばし考えていた。
「特にはないんですが…まぁ、音楽は好きです。」
「音楽か……そういえば、兄上は最近楽器を始められたのだ。
まるで、吟遊詩人のように、毎晩、リュートを弾きながら歌を歌われていてな…」
「え…!?そ、それじゃあ、あの歌声はリュシアン様だったのですか?」
亜里沙は目を丸くして、俺を見た。
「……塔にも聞こえていたのか?」
白々しい…塔に届くようにと考えて歌っていたのに…
「ええ、私、毎晩、あの歌を聴くのがとても楽しみでした!
…あの歌声にはどれほど励まされたかわかりません!」
「ほ、本当か?」
「はい!本当です!
まさか、あれを歌われていたのがリュシアン様だったなんて…」
亜里沙が俺の歌を楽しみにしていたと言った。
あの歌声に励まされたとも…
俺は、そのことが嬉しくて、天にも昇る想いだった。
無駄じゃなかった。
俺の歌を、亜里沙が毎日聴いていてくれたということが、俺は嬉しくてたまらなかった。
「アリシア、この部屋は気に入ったか?」
「はい、窓からお庭が見られるのはとても気持ちが良いです。
それに、お部屋もとても広くて綺麗ですし。」
昼食の際、亜里沙は良く話をした。
今まではメイドくらいしか話し相手がいなかったせいか、話したくてたまらないと言った感じで、他愛ないことをあれこれと話した。
「塔での暮らしは退屈だっただろう?」
「え…い、いえ、そんなことは…」
俺の質問に亜里沙は言葉を濁したが、あんな狭いところに閉じ込められていたのだ。
退屈じゃないはずがない。
「そういえば、アリシアは趣味はあるのか?」
「趣味…ですか…?」
亜里沙は、視線を泳がせ、しばし考えていた。
「特にはないんですが…まぁ、音楽は好きです。」
「音楽か……そういえば、兄上は最近楽器を始められたのだ。
まるで、吟遊詩人のように、毎晩、リュートを弾きながら歌を歌われていてな…」
「え…!?そ、それじゃあ、あの歌声はリュシアン様だったのですか?」
亜里沙は目を丸くして、俺を見た。
「……塔にも聞こえていたのか?」
白々しい…塔に届くようにと考えて歌っていたのに…
「ええ、私、毎晩、あの歌を聴くのがとても楽しみでした!
…あの歌声にはどれほど励まされたかわかりません!」
「ほ、本当か?」
「はい!本当です!
まさか、あれを歌われていたのがリュシアン様だったなんて…」
亜里沙が俺の歌を楽しみにしていたと言った。
あの歌声に励まされたとも…
俺は、そのことが嬉しくて、天にも昇る想いだった。
無駄じゃなかった。
俺の歌を、亜里沙が毎日聴いていてくれたということが、俺は嬉しくてたまらなかった。