夢幻の騎士と片翼の王女
肩透かし(side 亜里沙)
「アリシア…もう良いのか?」

「はい、お腹いっぱいです。」



昼食に続き、夕食にもアドルフ様が来られた。
でも、今回はアドルフ様おひとり…リュシアン様が来られなかったことを少し残念に感じてしまった。



「では、そろそろ湯浴みでもしたらどうだ?」

「え…は、はい。」



……ついに来た。
やっぱり、今夜、私はアドルフ様に抱かれるんだ…



怖いのは怖いけど…
でも、半分くらいは覚悟も出来てた。



私は側室なんだもの。
いつかはこうなる運命。



初めての人が、イケメンの王子様だなんて、友達に言ったらうらやましがられるだろうか?
いやいや、そんなこと、誰も信じてくれないよね…
私だって、なんだか夢を見てるみたいだもん。



(よしっ!頑張るぞ!)



辛くて情けなくて、何日も泣いたあの授業をついに実践する時が来た。



(うまくいってもいかなくても、とにかく頑張るだけ!)


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