夢幻の騎士と片翼の王女
告白(side 亜里沙)
「かしこまりました。
では、おやすみなさいませ。」
「おやすみなさい。」
メアリーさん達に嘘を吐いてしまった。
その後ろめたさから、私は逃げるように部屋に戻った。
「リュシアン様…?」
窓を開け、外に向かって小さな声をかけた。
リュシアン様は、どこか照れくさそうな顔をして、木陰から出て来られた。
「ここから降りれるか?」
「は、はい。」
ちょっとお行儀は悪いけど、私は窓の縁に足をかけた。
窓の外では、リュシアン様が両手を広げていて、私を子供のように抱いて降ろして下さった。
なんだかちょっと恥ずかしい…
「済まないな、無理をさせて…」
「い、いえ…」
「あっちへ行こう。」
「あ…」
リュシアン様に手を取られて、私達は木々の密集した所へ走り出した。
走ってる間…ふと考えた。
私は、何をしてるんだろう?
アドルフ様の側室なのに、こんなことして良いんだろうか?
しかも、メアリーさん達に嘘まで吐いて…
それに、リュシアン様はなぜこんなことをされるんだろう?
リュシアン様だって、私がアドルフ様の側室だってことを知ってらっしゃるのに…
(どうして…?)
疑問を感じながらも、私は心の底では幸せを感じていた。
リュシアン様と繋いだ手の感触が心地良い。
さらさらと揺れる金髪…かすかな息遣い…
リュシアン様と秘密を共有していることが、とても怖くて、そして嬉しかった…
では、おやすみなさいませ。」
「おやすみなさい。」
メアリーさん達に嘘を吐いてしまった。
その後ろめたさから、私は逃げるように部屋に戻った。
「リュシアン様…?」
窓を開け、外に向かって小さな声をかけた。
リュシアン様は、どこか照れくさそうな顔をして、木陰から出て来られた。
「ここから降りれるか?」
「は、はい。」
ちょっとお行儀は悪いけど、私は窓の縁に足をかけた。
窓の外では、リュシアン様が両手を広げていて、私を子供のように抱いて降ろして下さった。
なんだかちょっと恥ずかしい…
「済まないな、無理をさせて…」
「い、いえ…」
「あっちへ行こう。」
「あ…」
リュシアン様に手を取られて、私達は木々の密集した所へ走り出した。
走ってる間…ふと考えた。
私は、何をしてるんだろう?
アドルフ様の側室なのに、こんなことして良いんだろうか?
しかも、メアリーさん達に嘘まで吐いて…
それに、リュシアン様はなぜこんなことをされるんだろう?
リュシアン様だって、私がアドルフ様の側室だってことを知ってらっしゃるのに…
(どうして…?)
疑問を感じながらも、私は心の底では幸せを感じていた。
リュシアン様と繋いだ手の感触が心地良い。
さらさらと揺れる金髪…かすかな息遣い…
リュシアン様と秘密を共有していることが、とても怖くて、そして嬉しかった…