夢幻の騎士と片翼の王女
「え~…っと。」

「はい。」

「そ、その……なんだ。」



リュシアン様は、とても言いにくそうにされている。
私の顔さえ、まっすぐに見られない。



「リュシアン様…私、どんなことでも聞く覚悟は出来ています。
はっきりおっしゃって下さい。」

「亜里沙……」

リュシアン様がやっと私の目を見て下さって…そして、ほっとされたように微笑まれた。



「……なら、言う。
亜里沙……俺と結婚してくれ。」

「……え?」



おかしい。
なんだか、今、私の思ってたこととは全然違うことを言われたような…



「亜里沙…どうした?聞こえなかったのか?」

「え、えっと…はい。」

「じゃあ、もう一度言う。
俺の妃になってくれ。」

「え、ええっ!?」



う、嘘…今、妃って言われた?
そ、そんな馬鹿な…



「亜里沙…大丈夫か?
顔が真っ赤だぞ。」

「え…だ、だ、大丈夫です。
ちょ、ちょっと暑くて…って、私、なんだか耳がおかしいみたいで…あっ!」

あたふたしてたら、突然、リュシアン様に抱き締められた。



(ど、どういうこと…?)



私はさらにパニックに陥った。
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