夢幻の騎士と片翼の王女
「亜里沙…俺はおまえを愛している。
初めて会った時からずっと…必ずおまえを幸せにする。
だから…どうか、俺と結婚してほしい。」

耳元で囁かれる言葉に、鼓動がどんどん速まって…
頭から湯気が出てるんじゃないかって思うほど、顔は熱く燃えていた。



……これは夢?



だけど、リュシアン様の体の温もりや伝わって来る鼓動は、現実のもの…



そんな…嘘だ…信じられない…



「亜里沙…」



不意に唇に温かいものを感じた。



(リュシアン様…)



なぜだか自然に涙がこぼれた。
それがどういう感情の涙なのかはわからなかったけど…
ただ、胸がいっぱいで…



このまま時間が止まれば良いと、心のどこかで考えていた。
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