夢幻の騎士と片翼の王女
そう言えば、亜里沙はおかしなことを言ったという。
神父に向かって、『なぜそんなに日本語がうまいのか?』と…
神父は、その時、亜里沙の言ってる意味がわからなかったと言っていた。
なぜならば、神父はここの言葉を話していたからだ。



亜里沙がどういう意味で言ったのか考えると、日本とか言う亜里沙の故郷と、ここでは言語が違うと考えたのだろう。
俺もこの世界のことをすべて知っているわけではないが、言語の違う国なんて、今まで聞いたことがない。



そう…亜里沙にはおかしなところがたくさんあった。



突拍子もない話ではあるが、その理由を、亜里沙が、カイヤのいう文明も時代も何もかもが違う異なる世界から来たからだとしたら…
それはそれで辻褄が合う。
そんなこと、ありえないとは思うが、辻褄は合うのだ。



俺は、カイヤの言葉をどう受け止めたら良いのかわからず、ただ戸惑うばかりだった。
< 256 / 277 >

この作品をシェア

pagetop