夢幻の騎士と片翼の王女

「亜里沙、何をするつもりなんだ？」

「帰るのです。」

「帰る…？どうやって？」

リュシアン様の疑問は当然だ。



「私にもはっきりとわかってるわけではありません。
でも……きっと戻れると思うんです。
私達が、ユーロジアに戻りたいと強く願えばきっと…」

「ユーロジアへ…
だ、だが、良いのか？
おまえはようやく故郷へ戻ったのだろう？」

「はい…」

「家族にまた心配をかけることになるのではないか？」

「そうですね……でも……決めたんです。」

リュシアン様は、私の目をじっと見つめられた。
私はその視線を逸らすことなく、見つめ返した。



「……今一度、訊ねる……本当に良いんだな？」

「はい…ユーロジアへ戻りましょう。
そして…共に暮らしましょう。」

「俺の妃になってくれるか？」

「はい……」

「亜里沙…」

リュシアン様に抱き締められた時、私の迷いは一瞬で消え去っていた。
リュシアン様と一緒にいられるなら、私はどこにでも行く…
そして、今度こそ何があっても離れない。



そう…私はリュシアン様を愛している。
狂おしい程に愛している。
二度と離れてはいけない…！そのことを魂で感じた。



まさに、その時……



「あっ！」



私の指輪とリュシアン様の指輪が、まるで共鳴するかのように輝きだした。
それは、いつもよりずっとまぶしい光を放ち…



そして……