夢幻の騎士と片翼の王女
「彼は大変有能な騎士らしい。
おまえとは幼馴染だということもあり、気心も知れているだろう。
今は幸い、この国は戦時下にはない。
どこかに出かける時には、彼に護衛を頼めば良い。」

「わ、わかりましたわ。」



なぜでしょう?
私は、顔が急に熱くなるのを感じました。
お父様はごく当たり前のことを言われただけなのに…



(リチャード……)



また、昼間の彼を思い出してしまいました。
リチャードのことが頭からずっと離れません。



その晩は、何を食べたのかも覚えていない程、気もそぞろになっていました。


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