夢幻の騎士と片翼の王女
*
「お待ちください。アリシア様!」
急に駆けだした私を、リチャードはあわてて追いかけて来ます。
我ながら子供っぽいことをしていることはわかるのですが、彼が困った顔をするのが、私は楽しくてたまらなかったのです。
「アリシア様!」
息を切らしたリチャードが、ついに私に追いつきました。
怖い顔をして、彼は私をみつめていました。
「リチャード…この間、決めたはずよ。
ふたりっきりの時は、堅苦しい話し方はやめるって…」
「ですが…他の供の者が近くに…」
「もうっ!あなたはどうしてそんなに心配性なのかしら?
こんなに駆けてきたのよ。
二人の会話が聞こえるはずないわ。」
私がそう言うと、彼は困ったような顔をして、小さく溜息を吐きました。
「君は本当に困った人だね。」
「こんな私を護衛するのはいやかしら?」
「……そんなわけないだろ。
でも…昔の君はもっとおとなしかったって思うんだけど…」
「大人になるにつれ、お転婆になったのよ。
お城ではこんなに自由にすることは出来ないんですもの…」
「……そうだね。
じゃあ、もう一回かけっこするかい?」
「私はそんな子供じゃないわ。」
私がそう言うと、リチャードはくすくすと笑いました。
「お待ちください。アリシア様!」
急に駆けだした私を、リチャードはあわてて追いかけて来ます。
我ながら子供っぽいことをしていることはわかるのですが、彼が困った顔をするのが、私は楽しくてたまらなかったのです。
「アリシア様!」
息を切らしたリチャードが、ついに私に追いつきました。
怖い顔をして、彼は私をみつめていました。
「リチャード…この間、決めたはずよ。
ふたりっきりの時は、堅苦しい話し方はやめるって…」
「ですが…他の供の者が近くに…」
「もうっ!あなたはどうしてそんなに心配性なのかしら?
こんなに駆けてきたのよ。
二人の会話が聞こえるはずないわ。」
私がそう言うと、彼は困ったような顔をして、小さく溜息を吐きました。
「君は本当に困った人だね。」
「こんな私を護衛するのはいやかしら?」
「……そんなわけないだろ。
でも…昔の君はもっとおとなしかったって思うんだけど…」
「大人になるにつれ、お転婆になったのよ。
お城ではこんなに自由にすることは出来ないんですもの…」
「……そうだね。
じゃあ、もう一回かけっこするかい?」
「私はそんな子供じゃないわ。」
私がそう言うと、リチャードはくすくすと笑いました。