夢幻の騎士と片翼の王女
*
それから数日後、神父さんはいくつか仕事をみつけてきてくれた。
魚屋さんと八百屋さんと花屋さんの売り子の仕事を…
「あの…私の事情はもう伝えてあるのですか?」
「はい、異国の方だということは話してあります。」
「そうですか、ありがとうございました。」
私はお花屋さんの仕事をしたいと神父さんに話し、そのお店に連れて行ってもらうことになった。
(わぁ…)
ここに来てからというもの、他人の視線を避けるようにしてたから、教会の敷地内くらいにしか出てなかった。
それも、薄暗くなってから…
昼間は教会に来る人がけっこういたから…
だから、明るいうちに外を歩くのはなんだかとても新鮮で…
(あ……)
「神父さん…あのお城は…?」
「あれは、シプリアン国王とその一族の方々が住まわれているマンシェル城です。」
「マンシェル城…」
あれは、ラブホなんかじゃなく、やっぱり本物のお城だったんだ。
そうよね…ラブホにしては立派すぎる…
そんなこと、よく見ればすぐにわかりそうなものなのに…
そういえば、こんなお城を見たのは初めてだ。
海外旅行には何度か行ったけど、お城は特に見に行かなかったから。
「あの…お城には誰でも行けるんですか?」
「えっ!?それは無理ですよ。
お城に行けるのは、限られた人達だけです。
あなたの国では、誰でも自由にお城に行けるのですか?」
「い、いえ……馬鹿な質問をしてごめんなさい。」
そうだ…多分、それって、皇居や首相官邸に行くようなもんなんだね。
誰でも自由に行けるわけなんかない。
我ながら、本当に馬鹿なことを訊ねてしまったと後悔した。
それから数日後、神父さんはいくつか仕事をみつけてきてくれた。
魚屋さんと八百屋さんと花屋さんの売り子の仕事を…
「あの…私の事情はもう伝えてあるのですか?」
「はい、異国の方だということは話してあります。」
「そうですか、ありがとうございました。」
私はお花屋さんの仕事をしたいと神父さんに話し、そのお店に連れて行ってもらうことになった。
(わぁ…)
ここに来てからというもの、他人の視線を避けるようにしてたから、教会の敷地内くらいにしか出てなかった。
それも、薄暗くなってから…
昼間は教会に来る人がけっこういたから…
だから、明るいうちに外を歩くのはなんだかとても新鮮で…
(あ……)
「神父さん…あのお城は…?」
「あれは、シプリアン国王とその一族の方々が住まわれているマンシェル城です。」
「マンシェル城…」
あれは、ラブホなんかじゃなく、やっぱり本物のお城だったんだ。
そうよね…ラブホにしては立派すぎる…
そんなこと、よく見ればすぐにわかりそうなものなのに…
そういえば、こんなお城を見たのは初めてだ。
海外旅行には何度か行ったけど、お城は特に見に行かなかったから。
「あの…お城には誰でも行けるんですか?」
「えっ!?それは無理ですよ。
お城に行けるのは、限られた人達だけです。
あなたの国では、誰でも自由にお城に行けるのですか?」
「い、いえ……馬鹿な質問をしてごめんなさい。」
そうだ…多分、それって、皇居や首相官邸に行くようなもんなんだね。
誰でも自由に行けるわけなんかない。
我ながら、本当に馬鹿なことを訊ねてしまったと後悔した。