夢幻の騎士と片翼の王女
ピエール様は目をつぶって、何もしゃべられない。
がたがたという車輪の音だけが響いて、なんとも息が詰まる。
(早く着かないかな…)
お城に行くことには不安がいっぱいのくせに、あまりの気まずさにそんなことを思った。
小さな窓の外は、のどかな田園風景が続いてる…
ぼーっと見てたら、なんだかちょっと酔いそうだったから、外を見るのはやめて、そっと俯いた。
もしかしたら、風景のせいだけではなく、締め過ぎたコルセットのせいもあるのかもしれない。
なんとなく少し眠いような気もする。
道は舗装されてないからたいそう揺れる。
気持ち良いような良くないような…
そんな状態でしばらく走った後、馬車の動きがだんだんゆっくりとなり、やがて、完全に止まった。
「着いたぞ。」
ピエール様がそう言ったのと同時に、馬車の扉が外側から開かれた。
(わぁ……)
目の前には、そびえたつ白い城…
遠くから見ていたのとはやはり印象がずいぶん違う。
圧倒的な存在感だ。
私はお城を見上げたまま、何も言えなかった。
「さぁ、行こう。」
「は、はい。」
ピエール様に急き立てられるようにして、私は門の方へと歩いて行った。
がたがたという車輪の音だけが響いて、なんとも息が詰まる。
(早く着かないかな…)
お城に行くことには不安がいっぱいのくせに、あまりの気まずさにそんなことを思った。
小さな窓の外は、のどかな田園風景が続いてる…
ぼーっと見てたら、なんだかちょっと酔いそうだったから、外を見るのはやめて、そっと俯いた。
もしかしたら、風景のせいだけではなく、締め過ぎたコルセットのせいもあるのかもしれない。
なんとなく少し眠いような気もする。
道は舗装されてないからたいそう揺れる。
気持ち良いような良くないような…
そんな状態でしばらく走った後、馬車の動きがだんだんゆっくりとなり、やがて、完全に止まった。
「着いたぞ。」
ピエール様がそう言ったのと同時に、馬車の扉が外側から開かれた。
(わぁ……)
目の前には、そびえたつ白い城…
遠くから見ていたのとはやはり印象がずいぶん違う。
圧倒的な存在感だ。
私はお城を見上げたまま、何も言えなかった。
「さぁ、行こう。」
「は、はい。」
ピエール様に急き立てられるようにして、私は門の方へと歩いて行った。