夢幻の騎士と片翼の王女
*
「そ、そんな……」
「リュシアン…結婚祝いだと思って堪えてくれ。」
「し、しかし……」
「チャールズ…この女を部屋に連れて行け。」
「かしこまりました。」
チャールズに伴われ、部屋を出て行くアリシアの後ろ姿を、リュシアンは名残惜しそうな顔をしてみつめていた。
「……アドルフ、これで良いな。
だが、さっきの約束を忘れるな。」
「はい、陛下。
どうもありがとうございます。」
やった…私は、ついにアリシアを私のものにした…!
ずっとずっと…気の遠くなるほどの時を経て、私はようやく彼女を私のものにしたのだ。
ただ、陛下との約束で、半年間はアリシアを側室にしないこととなった。
その間、アリシアは幽閉の塔に閉じ込められる。
それはもちろんリュシアンに手出しをさせないためだ。
塔には鍵がかけられ、許可を得た者でないと上ることは許されない。
半年間はとにかくジゼルを可愛がれとの思し召しだ。
ジゼルは強大なランジャール王国の姫だ。
煩わしいことだが、国同士のつながりのためにも、ジゼルを無下に扱うことは出来ない。
だが、ジゼルに子でも出来れば、私もこの国の王子としての役目を果たすことが出来るし、ジゼルの関心も私ではなく子供の方にいくだろう。
(気は進まないが…やるしかないな…)
半年という月日は長くも思えるが、私が今までアリシアを待った年月に比べたら、半年などほんの一瞬のようにも思える。
(愛しいアリシア……あぁ…ついに…ついに私は君と結ばれるのだ…
幸せだ…私はこの世で一番の幸せ者だ……)
「そ、そんな……」
「リュシアン…結婚祝いだと思って堪えてくれ。」
「し、しかし……」
「チャールズ…この女を部屋に連れて行け。」
「かしこまりました。」
チャールズに伴われ、部屋を出て行くアリシアの後ろ姿を、リュシアンは名残惜しそうな顔をしてみつめていた。
「……アドルフ、これで良いな。
だが、さっきの約束を忘れるな。」
「はい、陛下。
どうもありがとうございます。」
やった…私は、ついにアリシアを私のものにした…!
ずっとずっと…気の遠くなるほどの時を経て、私はようやく彼女を私のものにしたのだ。
ただ、陛下との約束で、半年間はアリシアを側室にしないこととなった。
その間、アリシアは幽閉の塔に閉じ込められる。
それはもちろんリュシアンに手出しをさせないためだ。
塔には鍵がかけられ、許可を得た者でないと上ることは許されない。
半年間はとにかくジゼルを可愛がれとの思し召しだ。
ジゼルは強大なランジャール王国の姫だ。
煩わしいことだが、国同士のつながりのためにも、ジゼルを無下に扱うことは出来ない。
だが、ジゼルに子でも出来れば、私もこの国の王子としての役目を果たすことが出来るし、ジゼルの関心も私ではなく子供の方にいくだろう。
(気は進まないが…やるしかないな…)
半年という月日は長くも思えるが、私が今までアリシアを待った年月に比べたら、半年などほんの一瞬のようにも思える。
(愛しいアリシア……あぁ…ついに…ついに私は君と結ばれるのだ…
幸せだ…私はこの世で一番の幸せ者だ……)