夢幻の騎士と片翼の王女
チャールズさんが扉の鍵を開いた。
中にはさらに扉が二つあって、そこには鍵はなかった。



「亜里沙様、こちらがあなた様のお部屋です。」

そう言って、チャールズさんが扉を開いた。
部屋の広さはそこそこ広いけど…ここが私の部屋って…どういうこと!?



「あ、あの…チャールズさん……」

「あなた様のお世話は、このメアリーとアンナにお申し付け下さい。」

二人のメイドさんは、私に向かってエレガントなお辞儀をした。



「では、私はこれで……」

「えっ!?」



何がなんだかわからないうちに、チャールズさんは部屋を出て行き、がちゃりと外から鍵をかけた音がした。



「あ、あの……ま、待って!」

扉にはしっかりと鍵がかけられ、びくともしなかった。



「まさか…外から鍵をかけられたんじゃ…」

「はい、その通りです。」

メアリーさんかアンナさんかわからないけど、金髪のメイドさんがこともなげにそう答えた。



「その通りって…
それじゃあ、私はここに閉じ込められたってことなの?」

「そういうことになります。」

「ど、どうして?
私、何か悪いことした!?」

「亜里沙様ったらおかしなことを……
ここは監獄ではありませんわ。」

ブラウンの髪のメイドさんが、くすくすと笑った。



「ここは通称『幽閉の塔』と呼ばれております。
詳しいことはわかりませんが、その昔、この国の姫様がここに幽閉されていたという話です。」

金髪のメイドさんが話を続けた。

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