ヴァージンの不埒な欲望
全てが足りない私に「親が教師のくせに」なんて事を言う人もいた。
教室の隅にいるような地味な私を、どうして放っておいてくれないのだろう?と何度も思った。
小学五年生の時、本好きの私は図書委員になった。隣のクラスの図書委員の男子と、時々話すようになった。
その子も本好きだったし、他の男子みたいに「チビ!ノロマ!」なんて私をからかう事もなかった。お互いに大好きな本の話を、委員の仕事の合間にしていた。
その子は、勉強もできてスポーツもできて、みんなに優しかった。だから、こんな私にも優しくしてくれた。
ただ、それだけだったのに。
たまたまその子と図書室で話していた所を、同学年の女子何人かに見られた。
それから、クラスの女子達に無視されるようなった。それまでは「男子に苛められてかわいそう」と、同情されて庇ってもらった事もあったりしたけど。
同じような事が中学生の時も、就職してからもあった。
中学生の時は、みんなに押し付けられたクラス委員。
「星野さんのご両親は先生なので、ピッタリだと思います!」と小学校が一緒だった子に、よくわからない理由で推薦された。
「男子は誰が?」となった時、たまたまその時居眠りをしていた一人の男子を、担任が指名した。