化学反応検知中


『同じクラスなんだし、もっと話そう』



マドンナは確かにそう言った。

それはほんとに俺の妄想とかじゃなく、実際に彼女が言ったんだ。


俺だって信じられない。

彼女と友達になるなんて、そんなの奇跡以外の何物でもない。

だけど本当に、彼女はどこまでもすごい人だった。(俺の想像を軽く超えるという意味で)



「後藤くんはどんな音楽が好きなの?」


2時間目後の休み時間、突然マドンナに話し掛けられた。


俺はびっくりしてしばらく返事が出来なかった。

周りの皆も、そんな俺たちを見て驚いてた。

お前とマドンナにどんな接点があるんだって。皆の視線がひしひしと突き刺さってくる。


そんな俺の様子を見てか、マドンナは小さく笑って


「友達になったんだから、会話するのは当たり前でしょ」


そう、意地の悪い顔をした。


あの言葉は確かに、マドンナが実際に言ったものだった。

俺はあの後ちゃんと聞き返したし、彼女は彼女でもう一度友達になろうって言ってくれた。

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