化学反応検知中

マドンナがさっきの俺みたいにヒートアップしている。


「なんで私が裕樹を好きってことになるの？中学で、委員会が一緒で仲良くなっただけ！」

「、あさ、」

「好きじゃない！友達！！」


彼女はどんどん顔を歪めて。俺にはどうすることもできない。


っていうか、あの彼は、マドンナの好きな人じゃない？

……え？


「…何の反応もしてくれなかった」

「、え、？」


もう何がなんやら分からない。

マドンナが言うことの意味も分からない。


や、どうなってんだ、これ。

は？俺の勘違い？マドンナは、あの人を好きじゃない？


――え、じゃ、じゃあ……、誰？


「キスしちゃったのに何も言わないし」

「………、え…？」

「私が告白されてても何の反応も示さないし」



ちょ、ちょっと待て。

待ってくれ。え、なに。は？



「私だって恥ずかしかったのに。ずっと、話するのも恥ずかしかったのに」

「………」


「――気付いてくれたって、いいじゃん」