化学反応検知中
「何って…、椅子に座ってるんだけど」
「話逸らすな」
「、」
逸らすなって言われたって、何が言いたいのかも分からないのにどうしようもないじゃないか。
「…じゃあ、聞き方変える」
「……」
「お前がしてきたこと言え。マドンナに対して」
「、?」
健人の真っ直ぐな視線が俺を射抜く。
何が、言いたいんだ。
そして俺は、――何にこんなにも怯えているんだ。
そんな困惑している俺を見て健人は、鼻で笑った。
そしていかにも蔑んだような目を俺に向ける。
「何もしてねえもんな、お前は。そりゃあ何も言えねーわ」
「っ、」
「まじ情けねえ。何?この世の不幸抱えてます、みたいな顔しちゃって」
「、俺はっ」
「もう一度言う。お前、何してんの?」
「……、簡単に言うなよ。相手はあの、マドンナだぞ…?」