化学反応検知中
マドンナは、何人かの友人と一緒に食堂に入ってきた。
「ゆっこ、何食べるー?」
「うーん。どうしよう」
マドンナは相変わらず綺麗で、皆の視線を集めながら颯爽と歩いていた。
女子の中では背が高い分、彼女は余計に目立つ。
「3年の金子先輩、マドンナに告ったんだってー」
「、は?」
「え、そんなに珍しいことでもなくね?」
目の前にいる健人はもう食べる作業を再開していて、今はオムライスを頬張っている。
俺もマドンナの方をちらちらと気にしながら箸を握りなおした。
「ま、断ったみたいだけどー」
校内のモテ男ランキング3位内に入る金子先輩をもってしてもダメかー
健人はそんなことを言いながら、パックに入った100%オレンジジュースを飲んでいる。
「なんで彼氏作んないんだろうねー」
そんなの、俺に聞かれても困る。
健人はスプーンを咥えながら、うーんと考えを巡らしている。