化学反応検知中
もうどれ程の時間が経っただろう。
足は限界で、体もくたくたで。
だけど彼女には会えなかった。
ぽっきりと、そんな感じで心が折れた気がした。
こういう運命なのか、って。
気付いた時にはもう遅いって、そういうことなのかって思った。
明日も学校はあって。
果たして俺は、学校で彼女に会った時に、
――この思いを伝えられるんだろうか?
最悪な気分を抱えながら足を運ぶ、その先は“高野駅”。
本当に色んな店を回った。
道行く人にどんなに変な視線を向けられようが、制服を着た女の子たちに走る姿を笑われようが。
俺はただ1人の女の子を探して走り回った。
でもやっぱり、こんな大きな街で彼女を見つけようなんて、それ自体が不可能だったんだ。
痛感している。その難しさを。
無遠慮な照明たちが俺を照らす。
とぼとぼと、そんな効果音が付きそうな歩みで駅を目指す俺は、どれだけ滑稽だろう。
フラれてもないんだ。
伝えてもないんだ、この気持ちを。
会えても、いないんだ。