雪の華~茉叶の恋~
一瞬の安心感

ルイと別れて1ヵ月


ズルズル引きずってる自分に嫌気がさす…


そんな時に同じクラスの男の子に


「今日…暇?」


「何で?」


「遊ばない?」


「別にいいけど…」



この誘いはどういう目的?


変に警戒する。


その子は「俺…ずっと好きだった」


「今は付き合えない…」


だって、引きずってるし


こんな気持ちで付き合ったら失礼だし…


でも…

「それまで、待ってる…」


私を?


待っててくれるの?


多分…青春無駄になっちゃうよ…



何も言わずただ聞いてくれた…私の話し。


同じ話し何回も…


嫌な顔しないで、いつだって真剣に聞いてくれた。


そんな彼を好きになっていた。


1ヵ月も待ってくれたし、信じても大丈夫…

そう、思ったから…

日曜日に初めて行った彼の部屋。


ポスターがいっぱい貼ってあって落ち着かない…

正直。


「すごいね…ポスター…いっぱい」


「好きだから」


「そっか…意外だね?」


「そうかな」


なんてどうでもいい話ししたりして…


やっぱり…男の部屋って緊張する。


ルイを思い出しちゃう…


あっさり忘れられたらいいのに…


もう叶わない恋なんだし、いつまでも想ってても仕方ないのに-もしかしたら…-


なんて浅はかな希望が捨てきれずにここにいる。



私の事…大切に思ってくれてると思ったから許したんだよ…体…。


だけど結局

-慣れてるね?-

とか自分の経験の一つにしたかっただけだったとはね…


恋でも愛でも…好きでもないじゃん…


私はあなたのステップじゃないよ。


事を済ませばそれでよかった。



私はそんなの求めてないのに…


こんなだったら…こんな事になるんだったら…


ルイを一人で寂しく思ってる方がいくらもよかった。


時すでに遅し…この事


学校に行けば目的見え見えで近寄ってくる男。


全部断った…


一度、-チャライ-と言われたら…何もしてなくたってチャライから…


止められないし、言わないでとか騒がない。


勝手に言えばいい…


好きなだけ…


気がすむまで…



-好き-とか軽く言えちゃうものなんだね?


愛って何?


付き合うって何?



こんな私を本気で好きなんて思ってくれる人なんていなかったりしてね…


別にいいや…


本当は良くない…寂しい…



だったら恋なんて…


誰かを信じるなんて…


しない方がマシ。
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