愛‥とは?夫婦‥とは?

紗輝斗は、相変わらず
朝帰りか、夜中に帰る日々。

服からも変わらず
あの香水の匂いがしていた。

私達は、会話もなくなってしまった。

私は、可西先生にお願いして
宿直を入れてもらうことにした。

もう、あのマンションに
いること事態に
我慢ができなかった。

可西先生は、何も言わずに
「わかった。」
と、言ってくれた。

それから私は、また仕事中心の
生活になった。

今日は、気になる患者さんがいて
夜中に帰宅となった。

その時、紗輝斗を見掛けた。

紗輝斗は、若い女の子と腕を組んで
歩いていた。
女の子は、紗輝斗にべったり
くっついていて
普通の関係じゃないのは
誰の目にもわかった。

それにちらっと見えた、紗輝斗の
左の指には指輪はなかった。

私は、いたたまれない気持ちになり
近くの公園に入り、ベンチに腰掛けて
夜空を眺めていた。
「くすっ、涙も出ないんだ。
そんな感情、いつの間にか
無くちゃったのかな」
と、一人呟くと

「···綾··華·····」と。

声の方を見ると

「······そ···ら·····佐木山君」
「もう、大空····と
呼んでは、もらえないんだね。」
と、悲しげに言った。

「失礼します。」
と、言うと。
「危ないから、送るよ。」
「結構です。」
「綾華は、普通に帰ればいいよ。
俺は、自分家に帰るだけだから。」
と、言うから
「好きにしたら。」
と、言って公園をでてマンションに
向かった。

大空は、適当な距離をとりながら
後ろを歩いていた。

なんか、心の中は
安心している自分がいて
自分自身驚いていた。
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