愛‥とは?夫婦‥とは?

家のブザーを押す·····

「はい。‥‥あら?」
「ご無沙汰してます。華さん。」

「本当に、久しぶりね 大空君。
さあ、入って。」
「はい。突然伺い、すみません。」
「いつかくる?とは、
思っていたの。
だけど、時間かかったわね。」
「全て お見通しですか?」
「まあ、遅れた理由も
なんとなく、わかるけど。」
「華さんには、勝てません。」
「まあ、あれだけ·····
週刊紙やインターネットで
叩かれたらね。
さすがの、佐木山 大空も
再起·····は···無理か·····とね。」
「情けないしだいです。」
「だけど、大空君
今のそんな貴方に
綾華の事は教えないわよ。
綾華が、今までどんなに大変で
苦しんできたか
私はずっと見てきたから
あなたもそれなりに苦しんだかも
知れないけど。
綾華は、私の大切な娘だからね
貴方の肩は持たないわよ。
良い?!大空君。
今のスランプから
自分で抜け出しなさい。
その覚悟をみせて出直してきて。」
と、言われて

俺は、自分の考えの甘さに
また、考えさせられて
華さんの家を後にした。

それから俺は、
とにかく、ピアノの練習に励み

次の演奏が決まっている
ドイツでの演奏まで頑張った。

今度は、もう失敗は
赦されない。
そんな気持ちでいた。
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