愛‥とは?夫婦‥とは?
その後も、大空は中々
ドイツに来れなくて
音空は泣くより
怒っていた。
「パパ、来ない。
すぐ来るって言った
もう、パパ嫌い。」
「音空、パパは忙しいから
待ってあげて。」
「音空のピアノが
小さいから、パパ来ないの?」
「うふふっ、そんなことないよ。」
その頃、日本では····
中々、日本との交渉が
うまく行かず
「はぁっ、綾華に会いたい。
音空、怒ってるかな?」
ドイツの住まいも
考えていた。
ピアノが······置ける家を。
華さんも協力してくれて
良い所に決まった。
親父は、
「あっ、やっと
綾華ちゃんに会えたんだな?
音空にも。」
「まったく、教えてくれたら
良いのに。」
「えっ、だって
お前には、葵さんいるし。
綾華ちゃんの辛さを考えたら
とても教える気には
ならなかったよ。」
「そう、言われたら
返しようがない。」
「あはは。少しは、懲りたかな。」
「ああ。」
「俺の個展やるから見に来いよ。」
と、言われた。
親父の個展を初日に行って見た。
入って、奥の中央のデカイスペースに
それは、それはインパクトのある
写真が壁一面に飾ってあった。
······それは······
綾華と‥‥音空だった。
俺は、動けずに
呆然と立ち尽くしてしまった。