明日の蒼の空
第4章 新たな家族
八時を過ぎても夏美さんが帰って来ない。今日はいつになく帰りが遅い。
何かあったのかと心配になり、夏美さんの勤め先に電話を掛けてみた。定時に帰ったと言われた。
家の中は暖かいけど、外は冷たい風が吹いている。
寒いのに何をしているのだろう。本屋さんにでも寄っているのだろうか。映画館で映画を観ているのだろうか。みんなのひまわり憩い食堂でお酒を飲んでいるのだろうか。びゅーてぃーさんふらわあで髪を切ってもらっているのだろうか。それとも、彼氏さんの様子を見に行っているのだろうか。
もし、そうだとしたら、帰りが遅くなると連絡してくるはず。
私はどうにもこうにも落ちず、靴を履いて外に出た。
玄関の前で待っていたところ、小さな子供と手を繋ぎながら歩いてくる夏美さんの姿が見えた。
私は安心して、二人の元に駆け寄った。
「おかえりなさい」
「ただいま。帰りが遅くなってごめんね。この子の名前は、りさちゃんよ」
夏美さんが紹介してくれた女の子は、見た感じ、三、四歳くらいだろうか。赤い毛糸の帽子を目深に被っていて、寒そうにしているように見える。
「こんばんは。私は、夏美さんと一緒に暮らしている蒼衣だよ。外は寒いから、暖かい家に入りましょう」
「蒼衣ちゃんは、とっても優しいお姉さんだから、何も心配しなくて大丈夫よ」
私と夏美さんの語り掛けに対し、りさちゃんは下を向いたまま、小さく頷いた。
私もりさちゃんの小さな手を握り締めて、三人で手を繋ぎながら家に入った。
何かあったのかと心配になり、夏美さんの勤め先に電話を掛けてみた。定時に帰ったと言われた。
家の中は暖かいけど、外は冷たい風が吹いている。
寒いのに何をしているのだろう。本屋さんにでも寄っているのだろうか。映画館で映画を観ているのだろうか。みんなのひまわり憩い食堂でお酒を飲んでいるのだろうか。びゅーてぃーさんふらわあで髪を切ってもらっているのだろうか。それとも、彼氏さんの様子を見に行っているのだろうか。
もし、そうだとしたら、帰りが遅くなると連絡してくるはず。
私はどうにもこうにも落ちず、靴を履いて外に出た。
玄関の前で待っていたところ、小さな子供と手を繋ぎながら歩いてくる夏美さんの姿が見えた。
私は安心して、二人の元に駆け寄った。
「おかえりなさい」
「ただいま。帰りが遅くなってごめんね。この子の名前は、りさちゃんよ」
夏美さんが紹介してくれた女の子は、見た感じ、三、四歳くらいだろうか。赤い毛糸の帽子を目深に被っていて、寒そうにしているように見える。
「こんばんは。私は、夏美さんと一緒に暮らしている蒼衣だよ。外は寒いから、暖かい家に入りましょう」
「蒼衣ちゃんは、とっても優しいお姉さんだから、何も心配しなくて大丈夫よ」
私と夏美さんの語り掛けに対し、りさちゃんは下を向いたまま、小さく頷いた。
私もりさちゃんの小さな手を握り締めて、三人で手を繋ぎながら家に入った。