明日の蒼の空
　夕食を食べた後、三人で地上の世界に降りた。

　ちひろさんは、お父さんとお母さんと一緒に食卓を囲んでいる。

　テーブルの中央に、イチゴの乗った大きなクリスマスケーキと、りさの写真が入った写真立てが置かれている。



　メリークリスマス！　お母さん！　毛糸の帽子をありがとう！



「あ、あれ……」
　ちひろさんが不思議そうな顔でキョロキョロと周りを見回している。

「今、りさの声が聞こえなかった？」

「聞こえなかったぞ。気のせいじゃないのか」
　ちひろさんのお父さんは、冷静な表情で答えた。

「もしかしたら、家に遊びに来てくれたのかもしれないわね」
　ちひろさんのお母さんは、穏やかな表情で答えた。

「そうよね。きっとそうよね」
　ちひろさんはにっこりと微笑み、勢いよく椅子から立ち上がった。

「りさ！　お母さんの声が聞こえるかな。来年のクリスマスも、赤い毛糸の帽子をプレゼントするから、楽しみにしててね」

　お母さんの言葉を聞いたりさは、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、大喜び。

　今は二つ。来年は三つ。毎年、一つずつ増えていって、再来年は、四つになるかもしれない。
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