明日の蒼の空
 せっかく地上の世界の遊園地に来たんだから、あたしたちも楽しみましょう! 夏美さんが笑顔で言い出した。

 今日は、遊びに来たのではなく、ちひろさんとだいすけさんの様子を見守りに来た。

 本来の趣旨とは違ってしまうけど、楽しむことは大切だと思った。

 私は、そうですね。楽しみましょう。と言い、りさは、遊園地! 遊園地! と言って、ぴょんぴょんと飛び跳ね始めた。

 肩車してあげようか。

 うん! 

 夏美さんに肩車してもらったりさは、たかーい! たかーい! と言って大喜び。地上の世界の遊園地に興奮している様子。

 騒ぐと危ないから、しっかり掴まっててね。夏美さんがりさに言って聞かせて、私たちは急いで二人の後を追いかけた。

 ちひろさんとだいすけさんは園内をゆっくり歩き回り、観覧車に乗り込んだ。

 手を繋ぎながら歩けばいいのにね。と夏美さんが言い、あたしも観覧車に乗りたい。とりさが言い出した。

 地上の世界では存在していない私たちが、扉のある観覧車に乗ることは難しい。

 他のお客さんが観覧車に乗り込んだときに一緒に乗り込むか、一度家に帰って、ちひろさんとだいすけさんの元に移動するかすれば、私たちでも観覧車に乗ることは出来る。

 姿は見えないとはいえ、それでは、お邪魔虫になってしまう。私はどうしようか悩んだ。
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