明日の蒼の空
 次はバッグ選び。

 披露宴に持っていくバッグ。どれにしたらいいのかわからず、夏美さんに選んでもらうことにした。

「サテンクラッチバッグにしましょうか」
 夏美さんが選んでくれたのは、ラインストーン付きサテンクラッチバッグ。

 色は薄ピンク色で、サテンの肌触りが気持ち良く、フロント部分に銀色のラインストーンが散りばめられている。とても軽くて持ちやすい。

「小物も大切よ。カチューシャもいただいらどう?」
 夏美さんが笑顔で勧めてくれた。

「はい。カチューシャもいただこうと思います」
 ファッションに疎い私でも、カチューシャくらいなら知っている。

 アクセサリーコーナーに行って、ひまわりカチューシャをいただいた。

 さっそく身につけてみたところ、「蒼衣ちゃんに似合ってるわよ」と夏美さんが言ってくれた。

「あたしもカチューシャをいただこうっと」
 夏美さんは、私と同じデザインの、ひまわりカチューシャをいただいた。

 お揃いで嬉しかった。

「ねえ、まだ?」
 りさが私の服を引っ張った。

「ごめんごめん。もう済んだからね」

 次はりさの靴選び。

 荷物を抱えながら、キッズコーナーに向かった。

「この靴がいい」
 りさは、薄ピンク色のフォーマルシューズを選んだ。

 つま先に可愛らしいリボンが付いている。

 私と同様に、練習用にもう一足。

 りさは練習用も薄ピンク色を選んだ。

「あたしも頭に乗せるやつが欲しい」
 りさは、子供用のひまわりカチューシャをいただいて、ひまわり柄のハンカチとタンポポ柄のハンカチを一枚ずついただいた。

 一階の食料品フロアに降りて、ついでに今夜の夕食の食材と夏美さんが飲むビールと私とりさが飲む牛乳をいただいた。

 荷物が沢山あるので、帰りは馬車に乗って帰った。



 夕食を食べた後、夏美さんが私とりさに披露宴のマナーを教えてくれた。

 さすが結婚式に詳しい夏美さん。いろんなことを知っている。

「カラトリーって、何ですか?」

「簡単に説明すると、ナイフ、スプーン、フォークの総称のことよ」

 私は忘れないように、夏美さんが教えてくれたことを、ノートに書き留めた。

 これで準備はだいたいOK。

 あとは、ドレスを受け取りに行って、五月十日が来るのを待つだけ。
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