明日の蒼の空
どこもかしこも桜が満開。毎日、お花見が楽しめる。
家の周りの桜の樹も道端の桜の樹も街中の桜の樹も川沿いの桜並木も東ひまわり公園を囲んでいる桜の樹も、一ヶ月間もの間、満開に咲き誇った。
満開の桜もいいけど、散り始めの桜もいい。桜の花びらが一斉に散るところも見てみたい。
四月三十日の夜、家族三人で外に出て、家の近くの桜の樹の前に立った。
りさも桜の美しさに魅了されたよう。今夜は目をパッチリと見開いて、桜の樹を見つめている。
もうすぐ、午前零時。いよいよその瞬間がやって来る。
「あと三分くらいで、急に突風が吹くから、気をつけてね」
私とりさに教えてくれた夏美さんが姿勢を低くして身構えた。
突風に備えるため、私とりさも姿勢を低くして身構えた。
夏美さんが言ったとおり、午前零時を回った瞬間に、嵐のような突風が吹き荒れた。
目を開けていられないほどの猛烈な風だった。
突風は一瞬で収まった。
目を開けてみたら、桜の花びらが宙を舞っていた。
ものすごい桜吹雪。まるでピンク色の雪のよう。
滞空時間が長くて、ひらひらと舞い続けている。
いつの間にか、夏美さんとりさの頭と肩に桜の花びらが積もっていた。
私の頭と肩にも桜の花びらが積もっている。
地面は桜の花びらで埋めつくされていて、あっという間にピンク色の桜の絨毯が出来上がった。
りさが両手で桜の花びらを救い上げ、「わーい!」と叫んで、桜の花びらを撒いた。
雪合戦ならぬ桜合戦。
もう深夜だけど、家族三人で桜合戦をして楽しんだ。
この日の夜も、家族三人で外に出た。
星の光に照らされて、キラキラと輝いている桜の絨毯を歩いて、家の近くの桜の樹の前に立った。
「どうもありがとうございました」
夏美さんが桜の樹に向かって頭を下げた。
「本当にありがとうございました」
「桜ちゃん、どうもありがとう」
私とりさも桜の樹に向かって頭を下げた。
日付が変わり、五月一日になった。
一ヶ月間もの間、満開に咲き誇った桜の樹は、ほんの一瞬で、ポプラの樹に戻った。
早くも、ふさふさに生い茂っている。
本当に不思議な体験だった。
また来年の春にお逢いしましょう。それでは。
家の周りの桜の樹も道端の桜の樹も街中の桜の樹も川沿いの桜並木も東ひまわり公園を囲んでいる桜の樹も、一ヶ月間もの間、満開に咲き誇った。
満開の桜もいいけど、散り始めの桜もいい。桜の花びらが一斉に散るところも見てみたい。
四月三十日の夜、家族三人で外に出て、家の近くの桜の樹の前に立った。
りさも桜の美しさに魅了されたよう。今夜は目をパッチリと見開いて、桜の樹を見つめている。
もうすぐ、午前零時。いよいよその瞬間がやって来る。
「あと三分くらいで、急に突風が吹くから、気をつけてね」
私とりさに教えてくれた夏美さんが姿勢を低くして身構えた。
突風に備えるため、私とりさも姿勢を低くして身構えた。
夏美さんが言ったとおり、午前零時を回った瞬間に、嵐のような突風が吹き荒れた。
目を開けていられないほどの猛烈な風だった。
突風は一瞬で収まった。
目を開けてみたら、桜の花びらが宙を舞っていた。
ものすごい桜吹雪。まるでピンク色の雪のよう。
滞空時間が長くて、ひらひらと舞い続けている。
いつの間にか、夏美さんとりさの頭と肩に桜の花びらが積もっていた。
私の頭と肩にも桜の花びらが積もっている。
地面は桜の花びらで埋めつくされていて、あっという間にピンク色の桜の絨毯が出来上がった。
りさが両手で桜の花びらを救い上げ、「わーい!」と叫んで、桜の花びらを撒いた。
雪合戦ならぬ桜合戦。
もう深夜だけど、家族三人で桜合戦をして楽しんだ。
この日の夜も、家族三人で外に出た。
星の光に照らされて、キラキラと輝いている桜の絨毯を歩いて、家の近くの桜の樹の前に立った。
「どうもありがとうございました」
夏美さんが桜の樹に向かって頭を下げた。
「本当にありがとうございました」
「桜ちゃん、どうもありがとう」
私とりさも桜の樹に向かって頭を下げた。
日付が変わり、五月一日になった。
一ヶ月間もの間、満開に咲き誇った桜の樹は、ほんの一瞬で、ポプラの樹に戻った。
早くも、ふさふさに生い茂っている。
本当に不思議な体験だった。
また来年の春にお逢いしましょう。それでは。