明日の蒼の空
「本日は、お集まりいただきまして、ありがとうございます。みなさん、どうぞよろしくお願い致します」
 私は深々と頭を下げた。とにかく感謝の気持ちでいっぱい。

「それでは、行きましょうか」
 夏美さんの合図により、みんなで一斉に地上の世界に降りた。

 披露宴会場は、思いのほか、こじんまりとしていた。

 淡い水色のテーブルクロスの敷かれた丸テーブルが四つあり、三つの丸テーブルに、十名ずつ座っている。

 私の知らない人がほとんどで、知っている人は四名のみ(地上の世界で暮らしていた頃、会ったことのある姉の友達)。

 どうやら、親族と友達のみの小規模な結婚式のよう。

 誰も座っていない丸テーブルの上に『蒼衣と蒼衣の友達の席』と書かれたプレートが置かれていて、十個の椅子が座れるように置かれている。

 私たちは、姉が用意してくれた席に座った。

 他のテーブルと同様に、ナイフやフォークやスプーンなどのカトラリーがセットされていて、グラスもお皿も置かれている。
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