明日の蒼の空
 みんなのお店で今夜の夕食の食材をいただいた後、昨日のお礼を言いに、りさと一緒にみんなのふっちゃんに立ち寄った。

 お店の中に入り、いつものように挨拶したところ、お店の奥の部屋から、菓絵さんの祖母さんが出てきてくれた。

「こんにちは。菓絵さんは、どうされているんですか?」

 雨の日も雪の日も、定休日以外の日は、一日も休まずお店番をしている菓絵さんがいないのは非常に珍しい。ちょっと気になったので、菓絵さんの祖母さんに尋ねてみた。

「なんでも、大切な用事があるとかで、朝から出かけているのよ」

「そうなんですか」

 菓絵さんの大切な用事とは……。正直なところ、すごく気になる。

「あの子は、働き詰めだからね。息抜きしたくなったんじゃないかな」

「あ、そうもかもしれませんね」

 菓絵さんの祖母さんの言ったとおりだと思い、今は気にしないことにした。

 私は五円チョコをいただいて、りさはどうぶつビスケットをいただいた。

「菓絵から聞いたんだけど、昨日は、蒼衣さんのお姉さんの披露宴だったんだってね」

「はい。とても素晴らしい披露宴でした」

 今日は珍しく、菓絵さんの祖母さんと立ち話をした。

 昨日の披露宴の様子を話しているうちに、たあくんがやって来て、菓絵さんの祖父さんとたあくんがベーゴマを始めた。

 私とりさも参加して、ベーゴマを楽しみながら、菓絵さんの帰りを待った。

 五時過ぎまで待ったものの、菓絵さんは帰って来なかった。

 あまり帰りが遅くなると、夏美さんが心配する。

 私とりさは、菓絵さんの祖父母さんにお礼を言って、たあくんに手を振って、みんなのふっちゃんを後にした。
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