明日の蒼の空
 菓絵さんの姿を見かけなくなってから、一ヶ月が過ぎた。

 りさをお迎えに、東ひまわりこども園に向かっている途中で、ふと空を見上げたら、空のキャンバスに、私の知らない男性の肖像画が描かれていた。

 表情は明るい笑顔で、小麦色の麦わら帽子を被っている。

 菓絵さんが描く似顔絵のタッチと似ているように見える。

 目を凝らして見てみたら、雲に描かれているようだった。

 方角からすると、町外れの小高い丘の方。

 私は空を見上げながら、全力で走り始め、大急ぎで町外れの小高い丘に登った。

 丘の上には、誰もいなかった。

 麦わら帽子姿の男性の肖像画が描かれた大きな雲は、形を変えながら、ゆっくりと流れていき、だんだん小さくなって消えてしまった。

 なんだか嫌な胸騒ぎがする。

 私は全力で走って、みんなのふっちゃんに向かった。

 全身、汗でびっしょりだけど、休んでいる暇はない。
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