明日の蒼の空
全力で走り続けて、みんなのふっちゃんに着いた。
Tシャツの袖で顔の汗を拭いて、店内に入ったところ、今日も菓絵さんの祖母さんがお店番をしていた。
「こんにちは。菓絵さんはいらっしゃいますか?」
「それがね……」
悲しげな表情で言った菓絵さんの祖母さんは、お店の奥の部屋に入っていき、一枚の紙を持って戻ってきた。
右手で握り締めているものは、菓絵さんの置き手紙だという。
あまりよくないことが書かれているに違いない。
悲しげな表情のままの菓絵さんの祖母さんの顔を見ていて、私はそう感じ取った。
「読ませてもらっていいですか?」
「うん。読んでおくれ」
菓絵さんの祖母さんは、涙を流しながら、菓絵さんが残していった置き手紙を、私に手渡してくれた。
いったいどんなことが書かれているのか。読むのは怖いけど、自分で読んで確かめるしかない。
連日、家を留守にして申し訳ありません。ここ一ヶ月間ほど、ずっと地上の世界に降りていました。私がなぜ、地上の世界に降り続けているのか。それは、どうしても言えません。今日からずっと、地上の世界に滞在します。お客さんやお絵描き教室の子供たちや町の方々に私の居場所を尋ねられたときは「必ず戻ってくるから、何も心配しないでね」と言っていたと伝えてください。何年後になるかわかりませんが、私は必ず戻ってきます。必ず戻ってくることを約束します。私の身勝手な振る舞いを、どうかお許しください。店番を、よろしくお願い致します。
菓絵さんの置き手紙を読んで、私は信じられない気持ちでいっぱいになった。まさか、菓絵さんが……。
Tシャツの袖で顔の汗を拭いて、店内に入ったところ、今日も菓絵さんの祖母さんがお店番をしていた。
「こんにちは。菓絵さんはいらっしゃいますか?」
「それがね……」
悲しげな表情で言った菓絵さんの祖母さんは、お店の奥の部屋に入っていき、一枚の紙を持って戻ってきた。
右手で握り締めているものは、菓絵さんの置き手紙だという。
あまりよくないことが書かれているに違いない。
悲しげな表情のままの菓絵さんの祖母さんの顔を見ていて、私はそう感じ取った。
「読ませてもらっていいですか?」
「うん。読んでおくれ」
菓絵さんの祖母さんは、涙を流しながら、菓絵さんが残していった置き手紙を、私に手渡してくれた。
いったいどんなことが書かれているのか。読むのは怖いけど、自分で読んで確かめるしかない。
連日、家を留守にして申し訳ありません。ここ一ヶ月間ほど、ずっと地上の世界に降りていました。私がなぜ、地上の世界に降り続けているのか。それは、どうしても言えません。今日からずっと、地上の世界に滞在します。お客さんやお絵描き教室の子供たちや町の方々に私の居場所を尋ねられたときは「必ず戻ってくるから、何も心配しないでね」と言っていたと伝えてください。何年後になるかわかりませんが、私は必ず戻ってきます。必ず戻ってくることを約束します。私の身勝手な振る舞いを、どうかお許しください。店番を、よろしくお願い致します。
菓絵さんの置き手紙を読んで、私は信じられない気持ちでいっぱいになった。まさか、菓絵さんが……。