明日の蒼の空
 回数を重ねていくうちに、お絵描き教室の子供たちとの接し方にも慣れてきて、絵の描き方を教えられるようになった。

 どの子も、私のことを、蒼衣お姉さん。と呼んでくれるようになった。

「夏美おばちゃんは、背が高いね」

「夏美おばちゃんは、力持ちだね」

「夏美おばちゃんは、面白いね」

「お、おばちゃん……」
 夏美さんは、自分だけおばちゃんと呼ばれて、苦笑いをしていた。

 それでも、めげないところが夏美さんの良いところ。

 いろんな楽しいレクリエーションを考えてくれて、お絵描き教室の子供たちを楽しませてくれている。

 りさもお絵描き教室の子供たちの輪に溶け込んで、また新しいお友達が出来た。

「みんなで楽しく絵を描いて! じめじめした梅雨を吹っ飛ばせ!」
 夏美さんが大きな声で叫んだ。

 いつでも元気で明るい夏美さんは、本当に頼りがいのある存在。

 菓絵さんがこの世界に戻ってくる日まで、お絵描き教室の先生を続ける。夏美さんと力を合わせて頑張る。それが今の私に出来ること。
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